飯島企画業務日誌

小林秀雄

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おはようございます☀️
20190703120542
『小林秀雄』江藤淳この本を書いた「江藤淳」氏は小林秀雄氏より30才程若く小林秀雄氏同様、文芸評論家で有り作家
小林秀雄亡き後、文芸評論界を牽引する
「小林秀雄」って誰?と言う方より「小林秀雄」が知りたい!と言う方向けの本だと思います

引用文が難しく言葉遣いも古いので簡単には読めません

小林秀雄の思想の移り変わりや内奥にある強い気持ちを拾い出していきます

人は皆、想像するよりも遙かに悲しみを抱き、これに耐えなければならないという事
他人に対してその人がどれだけの、計り知れぬ悲しみを抱いているか?を知っている人は、その人もまた同じ苦しみを抱いているのでしょう
日常生活の中で人は苦しさを見せない様に隠して行くしかない
可哀想に思われたくない、言ったってどうなる事も無い事を知っているから
しかし苦しみは未来に繋がる切っ掛けで有って、確りと受け止め無ければ成らない
自殺を考えてしまう様な苦しみも、明るい未来を描き立ち止まらなければいけない
人は日頃、苦しみに圧迫されながらも生きる為、眩く明るいこの道の先を創造し掴み取るために
道を間違えず信じたものを追い掛けて幸せを呼び寄せる
文学を知らない読者が文学を知らない作者を作る
知識と伝統との乖離をなくすには、何よりも伝統の科学的考察が必要である
作者は主観的に育てた読者に成長を祈念する
歴史とは人類の巨大な恨みに似ている、と
謎の中にいる者にとって謎はない、中にいると気付かないから
未来とはある意味では現実だ
小林秀雄氏の奥底に抱く孤独、父性と子性
度重なる実際の苦痛がもたらした内的な危機に殆ど強いられ獲得し、刻印された構図を通じて対象に接する事が美的体験を形作る
積み重ねによって生まれる人生の重みとは反対に一瞬の爆発によって人生を突き抜けてしまう様な体験だと
小笠原諸島の絶壁で死をかいまみた海の色(自然)が「内奥の構図」として刻まれたのか
この構図が基本に有り「本物」「偽物」を確かめる感触となっていた
小林秀雄氏がこう言ったそうです
「批評の対象が己れであると他人であるとは一つの事であって二つの事ではない」
「批評とは己れの懐疑的な夢を語ることではないか、己れの夢を懐疑的に語ることではないか!」と
批評家は対象を他人に照らし、再び己れの確実さを検証する、と言います
その「時代」が他人の苦労を共通意識の内にあったのでしょう
現代ではその時代の共通意識は想像しか出来ません
現代には現代の形を変えた苦労がありますね。

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