飯島企画業務日誌

『麹、米と酒と甘酒』

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おはようございます☀️
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『麹、米と酒と甘酒』
麹を使った酒作りに関して8世紀初め奈良時代の「播磨国風土記」に「乾飯がぬれてカビがはえ、これで酒を造った」という記録が残っておりますが、古墳時代に麹を使った酒作りが行われていたという説もあります。
麹の製造は穀物に自然に生えてくるカビを利用した「自然種付け法」、そして、偶然に出来のよかった麹を保存して使用した「友種法」と移っていったものと考えられます。
そして、麹に木灰(椿の灰)を混ぜて培養したものを麹造りに利用すると、失敗が少ないことが発見され現在の種麹の基礎が築かれました。
明治時代以前、麹は「麹衆」と呼ばれる者達が製造・販売を独占しており、麹は売っていましたが種麹としては販売しておらず、種麹は彼ら秘蔵のものでした。
麹菌が繁殖することを「麹の花が咲く」といいますが、日本昔話の「花咲かじいさん」の中の「灰をまいたら花が咲いた」という話は、麹の製造にヒントを得たという説があります。そして「糀」と言う字が出来ました。

徳川幕府について御用商人として、三河(愛知県)より江戸に来て、1616(元和2)年に創業。主に糀造り(米糀と麹の2種類)。その糀を使った味噌や甘酒、納豆を製造していました。
糀は“土室”(地下で気温、湿度が安定)の中で4日目にふんわりと毛羽立ち、そのまま食べても甘いものが出来上がる。温度や湿度、菌を入れるタイミングなど、長年の経験と勘で微妙に変え、三河屋(麹衆)ならではの味になりました。
①甘酒の多くは酒粕から作られた甘酒でした。酒粕に砂糖を加えて作られます。昔は米が貴重だったので「清酒」と「酒粕」が分けられる様に成ると庶民に副産物の「酒粕」が広まったようです。
万葉集にこんな唄があります。
風雑り 雨降る夜の 雨雑へ 雪降る夜は 術もなく 寒くしあれば 堅塩を 取りつづしろい 糟湯酒 うち啜ろいて 咳かひ 鼻びしびしに しかとあらぬ
(雨風の夜。また雪の降る夜。寒くて、やることもなく。塩をなめながら、湯で溶いた粕湯酒をすすり、咳をし、鼻もすする。)
貴重な澄み酒は、公家や上流階級が飲み、残った粕は下のものに払い下げられました。
②一方で米麹から作られた甘酒は、米に米麹を加えて作られます。砂糖を加えないため、その甘みは麹が引き出したお米の甘みです。この米麹から作られる甘酒は、飲む点滴とも言われるほど高い栄養価を持つ魔法の飲み物です。
最近、夏の飲み物として定着してきましたが体に良いのでちょっと疲れた時などに頂いてみては如何でしょうか?
2006年、日本醸造学会は麹菌を「我々の先達が古来大切に育み、使ってきた貴重な財産」であるとして、「国菌」に認定しました。
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