飯島企画業務日誌

映画『家族を想うとき』

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おはようございます☺️

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映画『家族を想うとき』
先日、飲食店の宅配代行サービス「ウーバーイーツ」の配達員らの労働組合が、会社から報酬を一方的に引き下げられたとして団体交渉を申し入れるというニュースがあった。
近年、インターネットなどを通じて単発で仕事を請け負う「ギグ・エコノミー」と呼ばれる業務形態が日本でも拡大している。好きな時間に働いて報酬が得られる利便性の一方で、低賃金であるにもかかわらず個人事業主扱いのため、待遇の悪さが指摘されている。
イギリスでは、このような就労時間が保証されず、雇用者が欲する時のみ就労する「ゼロ時間契約」と呼ばれる雇用形態が、日本以上に普及している。それは、ウーバーやアマゾン倉庫のようなネット関連企業にとどまらず、飲食業や健康産業、はてはバッキンガム宮殿の職員の一部でも採用されている。

12月13日より公開されているイギリスの巨匠ケン・ローチ監督の最新作『家族を想うとき』は、そんな不規則な労働形態によって苦しむ人々の姿を描いた作品だ。

本作『家族を想うとき』の主人公リッキーは、長年、建設業の下働きとして安い賃金で雇われてきたが、よりよい報酬とやりがいを求めてフランチャイズの配達事業を始めることを決める。しかし、個人事業主として配達の仕事をするには、荷物を運ぶ大きな車が必要。フランチャイズ本社から車をレンタルするには1000ポンド(約15万円弱)の預り金が必要で、日々の給料からレンタル料も差し引かれるため、リッキーは車の購入を決意する。
手元に資金のない一家は、妻のアビーが仕事に行くために使っている車を売ることに。「仕事に使う車」のために、「仕事で使っている車」を売るのは一見矛盾しているかのように見えるが、彼らにはほかに選択肢がないのだ。
こうしたエピソードは、実際に配送フランチャイズに従事しているドライバーから聞いた話を基にしているという。個人で仕事を請け負っているドライバーたちはリスクを恐れてなかなか業務の話をしたがらないことも多かったそうだが、ラヴァティ氏は車に同乗し、ドライバーたちの仕事を手伝いながら話を聞き出したという。
リッキーは個人事業主なので、本来なら労働時間も業務形態も自由に決められるはずだ。しかし、実際にはシステムによって一日の配達量や配送ルートが管理され、ほとんど自由な裁量が残されていないことが映画で描かれる。
それを端的に表すのが、リッキーが、学校を休んだ娘を連れて配達に行くシーンだ。ただでさえ労働時間が大幅に増えて、家族と過ごす時間を失ってしまったリッキーは、仕事の時間に家族との交流を持とうとしているのだ。
しかし、配送先の住人がそのことをフランチャイズ元にクレームを入れてしまい、リッキーは厳重注意を受けることになる。
フランチャイズを統括するマロニーは、事業を始めるリッキーに向かって「勝つも負けるも全てお前次第だ」と言う。しかし、怪我をしても配送スケジュールに穴を開けることは許されず、自分の責任で代わりのドライバーを見つけねばならない、なぜなら個人事業主だから。
配送ルートも管理され、娘を連れて行くことすら規約違反だと言われる、なぜならフランチャイズのコンプライアンスに抵触するから。この雇用形態ではリッキーは自由になるどころか、賃金は上がらず、増えたのはリスクと労働時間だけなのだ。

徒歩で通勤する事になった、母のアビーはパートタイムの介護福祉士として、時間外まで 1 日中働いている。家族を幸せにするはずの仕事が、家族との時間を奪っていき、高校生のセブと小学生の娘のライザ・ジェーンは寂しい想いを募らせてゆく。そんななか、リッキーがある事件に巻き込まれてしまうーー。

「家族があって子どもがいる、そのために我々は仕事をする。しかし、その仕事が家族を崩壊に追い込むのなら、我々は何のために仕事をするのでしょうか。
この映画は、そんな実存主義的な問いを投げかけているのです。
『家族を想うとき』予告編→https://youtu.be/GhWWYapxC80
記事引用https://m-huffingtonpost-jpブロガーライター杉本穂髙

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