飯島企画業務日誌

『ミラーワールド』5/12

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おはようございます😉

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『ミラーワールド』5/12
2016年に、GEは自らを「デジタル産業企業」と位置づけ、その定義を「フィジカルとデジタルの世界を融合する」こととした。それはつまり、ミラーワールドをつくることだと言い換えられる。デジタルツインはすでに、石油精製や機器製造といったGEのマシンを使った産業プロセスの信頼性改善に寄与している。
一方でマイクロソフトは、デジタルツインの考え方をモノからシステム全体へと拡張している。同社はAIを使って「工場全体で起きていることを複製する、没入感のあるバーチャルなレプリカをつくっている」のだという。巨大な6軸ロボット圧搾機のトラブルシュートをするのに、ARギアで見られる実物大のバーチャルツインを現物にオーヴァーレイする以上にいい方法があるだろうか?

技術者は実物に重ねられたヴァーチャルツインを見ながら、実際の部品のうち、不具合が発生しているであろう箇所を調べる。そして本部の専門家は技術者のAR上のレビューを基に、実際に部品を修理するタイミングでガイドしてくれるのだ。やがて、あらゆるものがデジタルツインをもつことになる。それは、あなたが思うよりも早く実現するだろう。家具小売のWayfairは、何百万という製品をオンラインのインテリアカタログで紹介しているが、すべての写真がスタジオで撮影されたわけではない。同社は、わざわざ実物を撮影するよりも、3次元の写実的なコンピューターモデルをつくったほうが安上がりだということに気がついたのだ。よほど細かく見ないかぎり、サイトに載せられた画像が実はバーチャルなものだとは気づかないだろう。
Wayfairはいまや、こうしたデジタル家具をさらに幅広く活用しようとしている。スマホのカメラを使って室内をデジタル上でシミュレーションできるアプリをリリースした。このアプリを使えば、ユーザーはバーチャル家具を自分の部屋に配置できる。ユーザーが動いたとしても、家具はその場に固定して表示されるのだ。ヴァーチャルなソファを書斎に置き、それを室内の別の場所に動かしてみたり、生地を替えてみたりできるのだ。アプリに表示されている家具は、実物にかなり近い。
ミラーワールドがすべてオンラインで実現されるには、単にすべてのものがデジタルツインをもつだけでなく、そうしたデジタルツインが格納される、現実世界そのものの3Dモデルも築く必要がある。その大部分は、消費者が自力でやることになるだろう。

記事画像https://wired.jp/special/2019/mirrorworld-next-big-platform(雑誌『WIRED』日本版VOL.33より転載)
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