飯島企画業務日誌

『ミラーワールド』6/12

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おはようございます😉

『ミラーワールド』6/12
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カメラが捉えるものはピクセルのシートのみでそれ自体は意味を成さないが、人工知能(デバイスに埋め込まれたものか、クラウド上のものか、あるいはその両方)がこうしたピクセルに意味を与える。あなたがその場でどこに立っているのか、そして同時に、その場に何があるのかを解析するのだ。技術的用語ではこれをSLAM:自己位置推定と環境地図作成の同時実行)という。すでに生かされている技術だ。
例えば、スタートアップ企業の6D.aiは、大きな物体をリアルタイムに見分けるARアプリを開発するプラットフォームをつくった。このアプリを使って街路の写真を撮れば、クルマは一つひとつ別々に認識され、街灯は背の高い物体として近くの街路樹とは別のものとして認識され、クルマの背後にあるお店の入り口も認識される。つまり、世界が意味ごとに分類されるのだ。
さらにその分類には連続性があり、互いに結び付いている。ミラーワールドにおいては、モノはほかのモノとの関係性のなかで存在することになるのだ。デジタル版の窓は、デジタル版の壁があるという状況下において存在する。回路と帯域幅によって生み出されるつながりではなく、そのつながりにはAIによって生み出された文脈がある。つまりミラーワールドは、長らく待望されていたモノのインターネット(IoT)をつくりあげるのだ。
わたしのスマホに入っているGoogle Lensもまた、モノを識別することができる。この識別機能はすでに、犬の種類やシャツのデザイン、植物の品種を同定できるほどに賢くなっている。こうした機能はすぐに統合されていくだろう。マジックグラスを装着してリビングルームを見回せば、システムがその一つひとつを個別に識別し、壁に掛かった額装された銅版画や、4色の壁紙や、白いバラが生けられた花瓶や、アンティークのペルシア絨毯や、新しいソファを置くのにおあつらえ向きの空きスペースまで、すべてをあなたに教えてくれる。そして、すでに部屋にある家具の色調やスタイルを基にして、新調するソファの色やスタイルを推薦してくるだろう。もしあなたがそれを気に入れば、おまけに素敵なランプも提案してくるかもしれない。
AR(拡張現実)はミラーワールドを支えるテクノロジーだ。生まれた当初はヨチヨチ歩きだったこのテクノロジーは、やがて巨人へと成長するだろう。「ミラーワールドは、あなたをいまいる空間から動かすことなく包み込む。いまここにありながら、別の現実の一面にいるようなものだ。『ロード・オブ・ザ・リング』でフロドが“一つの指輪”をはめたときのことを思い出してほしい。それはあなたを世界から切り離すのではなく、あなたと世界の間に新しいつながりを生み出すのだ」と、AR用のハンドジェスチャー技術を開発しているLeap Motionの元クリエイティヴディレクター、ケイイチ・マツダは述べている。

記事画像https://wired.jp/special/2019/mirrorworld-next-big-platform(雑誌『WIRED』日本版VOL.33より転載)
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