今日の読書クラブは、
『カゲロボ』木皿泉 について
木皿泉さんはご夫婦でこの名前を共有しています。
ドラマなどの脚本家としてご存知の方も多いでしょう。
この作品は「第32回 山本周五郎賞」の候補作品に選ばれましたが惜しくも受賞とはなりませんでした。
表紙は可愛らしいイラストですが内容は一風変わった不思議な世界観
「世にも不思議な物語」のようです。
それぞれの題目は身体の部位や身体に起こる状況でそれぞれのテーマがある。
「見られているのか」「見張られているのか」それとも「見守られているのか」
罪・監視・孤独・疑い・恐怖・回収・赦し
九つの短編小説のオムニバスだが、この中で少しの繋がりがあります。
現代にて少し無理のある場面は近未来的な物語にしているが、
全ては現代が抱える社会問題である。
物語の切り口が多用で読む個には様々な内心を感受するだろう。
帯に記載されている「罪」と「赦し」
罪は我々が産まれながらに抱えている愚かで弱い心
赦しとは忘却(水に流す)が日本的でしょうか
起きた罪の存在は消せませんが消さないのは自分自身であって
それを赦せる(水に流せる)のも自分自身
「秘密を打ち明けたい」
「寄り添って欲しい」
「赦して貰いたい」
と想う心は相手からだけではなく、最終的には個の自分自身である
自分を苦しめる感情は自分自身なのだ。
今の世の中をちょっとは信用しても良いのかな。
昔は「お天道様がみてるよ」で完結ですね。
是非、木皿泉ワールドへ行ってみて下さい。