飯島企画業務日誌

草薙の剣

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おはようございます☀️
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前回、橋本治著作『草薙の剣』をこちらのブログで紹介したのですが、
その感想文を書いてみましたのでアップします😌
今回お薦めする本は
今年の1月29日に他界された数々の「賞」を受けられた

橋本治著作『草薙の剣』です。
そうです前回のブログでご紹介した作品ですが、

読んでみて「そうなんだよな~橋本さん」と感銘を受けました。

◇粗筋◇
主人公は62才~12才の10才づつ年齢の離れた6人の
男達に纏わる物語です
昭和、豊かさ、常に中流、夢想、災厄からの凪、凡人、を
時代の流れに沿い名前とされている
名前はこの6人の男しか登場し無く
「◯生」の父、母、祖父、祖母、兄、妹、嫁、夫
と言った具合で登場する
橋本治流「平家物語」のようです。

天の空を歴史年標に準え、そこに漂う雲や気候を時代とし
100年を坂登り
主人公に纏わる時代の物語が入り乱れる。

橋本さんを知っている方には解ると想いますが
「めんどくさい」文章満載です(笑)
その面倒ささが堪らない。

自分が生まれる前の事は知識として知ってはいても
「そうなんだ」で体験感は無い
自分の時代に有った出来事も自分の住む場所と離れていれば「大変だね」と他人事になる。

同じ時代を過ごしていても年齢や姓や生活状況により感じ方は異なる。

人は現実から逃避し、現実の中で架空を求め
そこに何も無い事に気が付かない。

父権制が廃止され、女性が社会進出し
家庭のあり方も変わり、元々女性の方が賢いものを
男女平等を逆手にとり根本を忘れ権利を主張する。

男がやりすぎれば「お戯れを」とピシャリと粋にこなす時代は過ぎ去った。

現代の政治家にも指導者がいない
投票率など、どうでも良く内側の人間に二択の宣言をする。

多数派が「良く解らない」けど?と、思うが
どちらか!と問われ、まんまと促される
民主主義の罠で、時間を経て現実の不満を口々にする。

人は考えたつもりで投票するが、実際は「何も考えていない」
「どっち?」と言われて「こっち」と誘導されている事に気が付かない。

その中で「父権制」の「男」引きずった者が、勘違いし大見得を切り脱落する。

この様な信頼出来ない社会の中で、
それぞれの年代も世の中に不満を溜め続け、爆発するが
現状の便利さに浸された彼らも流れてしまった。

最後にタイトルである
『草薙の剣』の話しで私なりの感じた事、

剣と共に手にした小さな皮の嚢の中に小さな名も無き「火打ち石」があり、

草を薙ぎ払うだけで押し寄せる熱と炎と白煙を押し止める事が出来たのか?と問われたが、

それは「名も無き、火打ち石」の方が重要なのでは?
とも思える誘導文章でしたが
私は両方が必要だと感じた
「剣」は男が持ち、「火打ち石」は女が男に打つ
父と母が協力してこそ困難を向かい入れる。

守るとは攻撃ではなく「迎え撃つ覚悟」

そんな家族のあり方を橋本治さんは言っているのではないかと感じました。

此の本は年齢に限らず読んで頂きたい
どこかは共感出来ると思います。

これぞ「橋本治」!を堪能して下さい。
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