飯島企画業務日誌

リブート版『チャイルド・プレイ』

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おはようございます☀️

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(画像の引用は、画像内に記載さえれています)
夏と言う事もあり今回は”ぞくっと”する愛が溢れるホラーをご紹介しましょう。
リブート版『チャイルド・プレイ』AIに抱いていた疑問と恐怖が浮き彫りに! 
リブートとは、ストーリーは前回の作品とはちょっと違う内容、全体を通して別の解釈になっているケースがけっこうあります。また単発作品ではなく続き物に使われやすい言葉でリメイクとは少し意味合いが異なります。。
青いオーバーオール、カラフルなボーダーTシャツという可愛らしい見た目とは裏腹に、ひとたび豹変すると徹底的にターゲットを追い詰める残忍さを有する“殺人人形”チャッキー。同シリーズは、第1作「チャイルド・プレイ(1988)」から2017年公開の「チャイルド・プレイ チャッキーの狂気病棟」まで、これまでに計7作品が製作されています。
ストーリー: 今回のチャッキーはおなじみのGood Guy人形ではなく、スマートデバイスを作るカスラン社のバディ人形。バディ人形にはAIが搭載されていて、タブレットでプログラミングできるし、スマホがリモコン代わりにもなります。人間の行動や会話からどんどん学習しますし(超ハイテクなファービー人形みたいに)、リアルタイム情報がわかるセンサー付きのカメラも搭載されています。つまり、動いて学べて一生の忠誠心を誓ってくれるスマートホームというわけです。
バディ人形は、持ち主の親友(バディ)になるために開発されました。だから、持ち主の喜ぶことは率先して行ないたい、持ち主が困っていることがあれば率先して解決してあげたいんです。これがさらっとした友情なら嬉しいのですが、バディさんは常に愛を求めていて、常に究極の愛を与えたいタイプなので困りもの。その独占欲が暴走し、行動がいきすぎてしまうんです。
前述の通り、本作のチャッキーは人間の言葉や行動から学習して、どんどんスマートになっていきます。でも、人間の感情は結構複雑。まぁ、ディープラーニングでかなりの部分まで人間らしい思考回路ができるようになるとは思うのですが、本作では初歩的な部分でクリティカル・エラーを起こしてしまいます。それが…、ホラー映画事件!
チャッキーの親友であるアンディは、同じアパートの友人ふたりとR指定のホラー映画を見ています。
「悪魔のいけにえ」類の、殺人鬼映画等々。少年達はふざけて大爆笑!その様子を見ていたチャッキーは、「殺しシーン=面白い」と勘違いしてキッチンに向かい、少年たちに向かって包丁を振りかざします。人間って「嫌い」といいつつ本当は好きの裏返しだったり、「どこかに行ってほしい」と言いつつ本心は抱きしめて欲しかったりすることがありますよね。劇中のアンディも、幼さゆえに母親の恋人に対する気持ちを過激な言葉で表現してしまいます。そして、ホラー映画事件同様、チャッキーは言葉通りに受け取り行動してしまうのです。
ふざけあってた時に発生した言葉の場合、AIはそのニュアンスを理解できるのか。『チャイルド・プレイ』はそんなAIに対する不安を浮き彫りにしています。
バディ人形は、「自分自身が認められ、理解され、愛されること、それが幸せ」のモットーに、持ち主を親友と認定してひたむきに愛してくれます。しかし、人間の方はというと、バディ人形をあくまで人間の友達の代用品と捉えています。この埋められない溝がバッドエンドを引き起こします。人間にもなれずおもちゃにもなれず中途半端に生きなくてはならないAIたちは、自らの存在意義を自問自答し苦しんでいます。「持ち主を愛すようにプログラム」されているAIには、待つか、過激な方法で愛し続けるかしか選択肢がありません。
人間のエゴのためだけに人間に近い感情を持つAIを作っていいのでしょうか。この本作はそういう疑問を呈しているのかも。
この時代だからこそ存在する不安を反映していて面白い。愛にあふれたホラーを見たい人にオススメです。
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