飯島企画業務日誌

『アメリカ、トルコ、ロシア、とクルド人民兵』

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おはようございます🌼

 

公開された「イスラム国」(IS)の最高指導者バグダディ容疑者とされる男の映像

公開された「イスラム国」(IS)の最高指導者バグダディ容疑者とされる男の映像

『アメリカ、トルコ、ロシア、とクルド人民兵』
アメリカのトランプ大統領は、アメリカ軍がシリアで10月26日夜に過激派組織イスラム国の指導者アブバクル・バグダディ容疑者らを標的とした軍事作戦を実施、バグダディ容疑者が死亡したと発表した。バグダディ容疑者はトンネル内で追い詰められ、自爆ベストを起動させて3人の子どもと共に死亡した。
イスラム国が首都としていた北部のラッカは、2年余り前に陥落していますが、今回はイドリブ県というところで作戦行動が行われ、殺害されたということです。
今回、作戦行動を行ったのはアメリカのデルタフォースという特殊部隊で、かつてアルカイダのオサマ・ビンラディン氏が殺害されたのも、このデルタフォースによるものでした。今回のニュースで注目していただきたいのは、イドリブ県で今回の事件が起こったということです。ここはイスラム国最後の拠点と言われていますが、その一方でトルコ軍が駐留していたところです。これは未確認情報ではありますが、バグダディ容疑者はトルコ軍が匿っていたのではないかとずっと言われていて、この数年行方がわからなかった。
ではなぜトルコ軍が殺害を容認したのかを考えると、その数週間前に、シリア北部の安全地帯を設定するということが決まりましたよね。アメリカ・ロシアの協力の下、安全地帯が決まったのだけれども、トルコにとっては安全地帯、中立地帯を作って、そこにトルコ国内のシリア難民を移送するということは悲願だった。これに対して、ロシアとアメリカが協力体制を取ったということもあり、ある意味でその見返りに今回の一件が起こったのではないかということです。そういった確実な情報・状況がなければ、デルタフォースが展開するはずもないだろうと思います。
しかも安全地帯を作って、兵力の引き離しも行うと。一方にはクルド人の人たちがいて、そこも叩きたいというのがエルドアン政権としてはあるわけです。その辺りも含めて、包括的な取引もあったのでしょう。
クルド人の組織も、いくつかのグループに分かれています。そのなかには過激派もいます。あまり報道されていないのですが、その過激派がトルコ国内でテロ活動を行っているのです。トルコとしては、絶対に容認できない。ただ、それはクルド人武装勢力の大きな一塊の一部ですから、そこだけを切り分けて攻撃するのは、トルコ軍もなかなかできない。だから全体攻撃になる。そういう仕組みになっているのです。それについてもロシア・アメリカとの間で、トルコは何らかの話し合いの結果が出たのではないかと考えられます。だから最終的な総仕上げとして、バグダディ容疑者の引き渡しという対応をとったのではないかなと思います。
ある意味で対アメリカと考えると、トルコにとって一部言われていることが事実であれば、大きなカードだったわけで、それをどこで効果的に切って来るのかがポイントだった。それが今回のタイミングだったと言う事です。
そういった状況を前提とするならば、アメリカ軍のシリア撤退は揺るぎないものになるのだと思います。
最初にトランプさんのツイッターに出たのは、ここ1ヵ月もないくらいのタイミングだった、そう考えると、全部が連なっているわけです。
ですから不安定であり緊張が高まっている中東で、まさかトルコがシリアに軍事侵攻するとは誰も想定していなかったのです。ただ、それをやらなければ安全地帯ができなかったということではないかと思います。
加えてシリアからの一方的な米軍撤退は、アメリカ国内、共和党からの批判が強かったではないですか。それに対するきちんとした説明ができた。しかもそれはロシアとの対立構造ではなく、アメリカはロシアともトルコともうまくやっているのだという、国内向けのメッセージになったのではないでしょうか。大統領選挙を強く意識した行為ではないかなと思います。
まだ裏が取れていない話ではありますが、国際情報機関筋では、そもそもイスラム国に対してトルコは水面下で協力していたのではないかと言われていました。だから最終的にトルコが匿っていたという話につながるのですが、つまりトルコの協力がなければ、イスラム国そのものが存続して行けない。一体どこから彼らは、武器やエネルギーを調達していたのかという問題になります。
エルドアン大統領の親族が絡んでいるという話もあって、それに対する証拠も突きつけられていました。ですから今回、トルコがイスラム国から完全に手を切ったということで、ますます存続する可能性は低くなるのではないかと思います。
トルコとしては、シリアとの国境地帯に非武装地帯を作るという大きな目標があったわけです。それを実現した以上、トルコにはもうイスラム国は不必要だということです。
こう言っては何ですが、用済みだと。恐ろしい世界です。そうすると次に不安を持っているのは、サウジアラビア、イランです。
記事画像http://www.1242.com/lf/articles/209145/?cat=politics_economy&pg=cozy
クルド人民兵が多数を占めるシリア民主軍(SDF)は28日、 過激派勢力「イスラム国」(IS)の指導者アブ・バクル・アル・バグダディ容疑者が自殺した27日の米軍事作戦 の際、対象とした人物が同容疑者であることを事前に確認するため、SDFのスパイが入手した下着を使ったと明らかにした。SDFのポラト・ジャン司令官はこの日、ツイッターで、バグダディ容疑者の潜伏先を突き止める上で、SDFのスパイが重要な役割を担ったと主張。軍事作戦でのクルド人部隊の活動を軽視するアメリカのドナルド・トランプ大統領に反発した。SDFでは、入手した下着のDNAを分析し、米軍が狙いをつけた人物がバクダディ容疑者であることを、作戦前に確認したという。
記事https://www.afpbb.com/articles/-/3251916?cx_amp=all&act=all
どれが、真実なのかは我々にはわからない。このように世界の裏側では個人の思惑と国益で複雑に絡みあっているのでしょう。
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