飯島企画業務日誌

『海底光ケーブル』2/2

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『海底光ケーブル』2/2

 

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アフリカ西海岸のカメルーンからブラジルまで約6000キロメートルの海底ケーブルは中国勢が敷いた。なぜそんなところで中国が 敷いたのか。中国は「一帯一路」を唱え、陸路と海路が重要だと言っていた。3番目に重要としたのがサイバースペース。通信の ネットワークで、特に海底ケーブルが大切だということを言っている。中国主導で各国のデジタル化を推進する「デジタルシルク ロード」構想も提唱している。中国は「世界中に海底ケーブルを敷く」と表だって言ってはいないが、そう考えているようだ。米 国はそこに気づき始めた。例えば、中国が発展途上国に「海底ケーブルを設置してあげます。陸上の設備はファーウェイ製。つい でに中国製の5Gの携帯いりませんか?」と売り込むとする。さらに、管理ツールとして、対話アプリ、キャッシュレス決済アプリ を使えるようにする。さらに国民を監視するためのツールも……となりかねない。権威主義体制の国からすると、安く通信インフ ラ整えてくれて、国民の監視もできるようになる。そのあたりを米国側が心配している。それで5点セットのクリーン・ネットワ ーク構想が出てきた。海底ケーブルだけ見ていてもダメだ。アプリや通信キャリアとかも含め全部見ていかなければいけない。ま た、カメルーンとブラジル間の海底ケーブルの次に問題となったのが、チリから中国まで長距離の海底ケーブルを敷く構想だっ た。南米から東アジアまで敷くのは、今までにないくらい長距離。これを中国がやろうとしたことが、米国政府をものすごく刺激 した。 中国もロシアも、サイバースペースにおける主権を強く言う。一方、米国西海岸のインターネットの専門家らは、サイバー空間は ボーダーレスでデータは自由に行き交うものだと考える。だが、中国やロシアの人たちからすると、そこは野放しの世界ではない し、米国が自由にできるところでもない。それぞれの国家主権が及ぶところだと言う。

中国ではお金がデジタル化された情報になりつつある。米国に預けていたデジタル情報を中国に持ってきておかないと、米国に取 り上げられてしまうと中国は心配している。昔ならスイス銀行にお金を集めていればよかっただろう。だが、今はお金がデジタル 化されているので、データセンターをどこに置くかが非常に重要になった。そこに国家主権が入ってくる。データをどう管理する かが、データの主権の観点で興味深いことになっている。

記事https://globe.asahi.com/article/13885191 『海底ケーブルで起きた米中の覇権争い、なぜ? 専門家に聞いた 朝日新聞GLOBE+ 2021.3.27 5:00』

画像https://speedvps.net/2020/04/13/asia-to-block-china-access-to-us/ 『米国政府は国家安全保障上のリスクがあると主張し、海底光ケーブルは台湾のみ接続 VPS通信速度比較 2021.3.27 4:30

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