飯島企画業務日誌

図書倶楽部

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おはようございます😉

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『21世紀の資本』トマ・ピケティ 訳森本正史
r>gとは、資本収益率>労働成長率より高くなること。
労働による経済成長(1~2%)よりも”株式”や”不動産”などの資本収益(4~5%)の方が高いため、お金持ちはどんどん豊かになっている。
そして、その大半の資本は社会に流通せずに貯まる一方で下層世帯には全く影響を与えず、デフレ状態が続いて行く。もし貯蓄するなら課税するよという方がお金の循環が正しく生まれる。それに、自分の意思で課税されるか?それとも何かに使うかを選択できる。
現在、先進国では経済成長率が2%を超えてくることも考えづらいため、今後ますます資本の格差が広がっていく。
更に、賃金等より、資産を投資する等で富を増やす方が豊かになる構造。所得の階層は富の階層とは違う。住宅は中流階級と小金持ちに人気の投資だが、本当の富豪は常に”金融”事業資産”が主体で、ある閾値を超えると、資本は自己再生産して指数関数的に蓄積する傾向がある。
資本は自然と増殖し、お金はお金を産み出す。今の課税システムは、経済格差は是正する処か拡がっていくばかりになっている。
資本所得の上位1割は、常に全世界の富の半分以上を所有し、富の下位半分は、ほとんど何も所有していない。
数理的には相続が最も資本の蓄積に影響する。 人は努力したから金持ちになる訳ではない。
通貨が貴金属との相互性を失って以来、中央銀行が通貨を作る能力は無限。富が集中すると低金利を続けたとしても長期的には資本収益率が所得と産出の成長率を上回る。やがて、世界経済はその重みに耐えかねて自壊する。それを防ぐ資本リストラ策が必要。
再分配の本質は所得格差を縮める事では無く、誰もが”教育”医療”福祉”に充分に利用できる環境を作ると言う事で、格差是正には”累進課税”資本税”を提案し、一国が取組めば、節税等で富が外国に流出するだけなので、国際協力と資産の透明化が重要と言う。 格差は、2度の世界大戦で大幅に縮まった。この時お金持ちは資産の9割近く税金を課せられた。現在は戦前の格差に戻りつつある。
社会が不平等な理由は、個人の能力の差ではなく資産の差で決まると言う事で、政治献金等政治への影響力も変わる、資産を持っている人が高い教育を受けられることを問題に挙げている。
現代の格差などは行き過ぎているだろうが、完全に格差無き社会は不平等で、そこの均衡の取り方の思想的裏付けとは何なのかを我々は考えなければならない。
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